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切なく美しい!おすすめのピアノ曲まとめ
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切なく美しい!おすすめのピアノ曲まとめ

数ある楽器の中でも、ピアノって何となく憧れてしまう代表的な楽器の一つですよね。

私自身、40歳を過ぎてからピアノのレッスンを再開している身なのですが、切ない旋律の楽曲は弾いていて思わず世界に入り込んでしまいます……うまく弾けているかは抜きにして。

前置きが長くなりましたが、今回の記事では「切なさ」をテーマとした人気のピアノ曲をご紹介します!

定番のクラシック曲はもちろん、映画やアニメにゲームなどのサウンドトラックで使われたピアノがメインの切なく美しい作品も含めたバラエティ豊かな内容となっていますから、クラシック好き以外もピアノ曲がお好きな方であれば要チェックです!

もくじ

切なく美しい!おすすめのピアノ曲まとめ

ロンド イ短調 K.511Wolfgang Amadeus Mozart

『後宮からの誘拐』や『フィガロの結婚』といったオペラから『ジュピター』のようなオーケストラ、レクイエムに『クラリネット五重奏曲 イ長調 K.581』など数え上げたらきりがないほどの音楽史に残る名作を世に送り出した偉大な作曲家、ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト。

もちろんモーツァルトはピアノ曲という分野においても多くの名曲を生み出していますが、本稿で取り上げるのは1787年の3月、数か月後にはあの名作『ドン・ジョヴァンニ』を書き上げることとなる重要な年に作曲された楽曲『ロンド イ短調 K.511』です。

他の著名な作品ほど有名ではないかもしれないのですが、美しさ以上にメランコリックな旋律と響きは作者の感情がそのまま反映されているかのようで、聴いているだけで胸が締め付けられるような思いがしますね。

KOH-1

The SacrificeMichael Nyman

ピアノをテーマとした映画は多く存在しますが、1993年に公開された映画『ピアノレッスン』はまさに恋愛映画にしてピアノ映画でもある名作中の名作ですよね。

劇中で主演のホリー・ハンターさんが実際にピアノを弾くシーンを鮮明に覚えている、という方も多いでしょう。

そんな名作映画の音楽を手掛けたマイケル・ナイマンさんのサウンドトラックは高い評価を得て世界中で大ヒットを記録しましたが、その中でも今回紹介するのは作品のテーマ曲で『楽しみを希う心』という邦題でも知られる『The Heart Asks Pleasure First』をベースとした『The Sacrifice』です。

この2曲は混同されがちなのですが、個人的には後者のほうがより切なさが増していると感じますね。

どちらも聞き比べてみることをおすすめします!

KOH-1

ベルガマスク組曲 第3曲「月の光」Claude Debussy

19世紀末から20世紀前半にかけて活躍したフランスの作曲家、クロード・ドビュッシーが1890年頃に作曲したと言われている作品『ベルガマスク組曲』の中でも特に有名で、多くのピアニストが好んで取り上げることでも知られているのが第3曲『月の光』です。

作品を知らない方でも、実際に曲を聴いていただければこの『月の光』が今回の記事で取り上げるには最適解の1つ、といっても過言ではないほどの切なさと美しさを兼ね備えた作品であることはすぐに分かるはず。

中盤のドラマチックに展開していく部分を除けば、ほぼピアニッシモで紡がれる静謐でまさに月の光のような神秘性を持った旋律は聴くだけで涙がこぼれそうなほどに切ないですね。

余談ですが、1940年公開のディズニー映画『ファンタジア』でこちらの『月の光』が使用される予定だったそうなのですが、製作段階でカットされたのだとか。

後に特典映像で『月の光』を使った映像も日の目を見ることとなりましたから、興味のある方はぜひチェックしてみてください。

KOH-1

Merry Christmas Mr. Lawrence坂本龍一

日本を代表する偉大な作曲家の1人、坂本龍一さん。

YMOとして全国的な活動をした後、ソロとしていくつもの名曲を作ってきました。

そんな彼の一番の名曲といえば、こちらの『Merry Christmas Mr. Lawrence』ではないでしょうか?

日本では『戦場のメリークリスマス』として知られている作品ですね。

戦争映画の作品ということもあり、全体を通してシリアスで切ないメロディーに仕上げられています。

坂本龍一は現在、アンビエントミュージックやミニマルミュージックを中心にさまざまなジャンルに取り組まれています。

そちらの作品も非常にすばらしいので、ぜひチェックしてみてください。

Ryo

きみが呼ぶなまえ〜夢のつづき吉森信

人間とこの世ならざる「妖」との関係性を描き、原作の漫画作品はもちろんアニメ版も長きに渡って愛され続けている『夏目友人帳』は、作曲家の吉森信さんが手掛けるサウンドトラックもその郷愁を誘うメロディの美しさで高い評価を得ています。

『夏目友人帳』のアニメ版のサントラは全て吉森さんが手掛けたものであり、彼の音楽と作品は完全に一体化しているほどの調和を見せていますよね。

中でも作品のテーマ曲『きみが呼ぶなまえ~夢のつづき』は純然たるピアノ曲というわけではないのですが、ピアニストである吉森さんらしいピアノ主体の心が洗われるような美しく切ない旋律が特徴の名曲ですから、作品を知らないという方もぜひ聴いてみてほしいです!

KOH-1

亡き王女のためのパヴァーヌMaurice Ravel

こちらの『亡き王女のためのパヴァーヌ』を作曲したモーリス・ラヴェルは後年記憶障害に悩まされていたそうなのですが、晩年にこの作品を聴いて「とても美しい曲だが誰が作ったのか」といったニュアンスのことを語っていたというエピソードがあるそうです。

作曲者本人が、自分が作ったことを忘れた上でこの作品を聴いて「美しい」と評したのですから、その美しさや切なさは折り紙付きと言えますよね。

1899年、フランスの著名な作曲家モーリス・ラヴェルが手掛けた『亡き王女のためのパヴァーヌ』はピアノ曲として作曲され、後にラヴェル本人が編曲した管弦楽曲としてのバージョンも存在します。

発表当時から大いに評判を呼んだ人気作品ではあるのですが、同業の仲間やラヴェル自身からの評価は芳しくなかったのだとか。

もちろん、前述したように記憶を失ったラヴェル自身の素直な評価がある意味作品の本質を物語っていると言えますよね。

単に美しいだけではない、胸を締め付けられるような哀愁の旋律はぜひピアノ弾きでれば挑戦してみたくもなりますが、聴くだけの印象以上に難易度の高い作品ですから要注意です!

KOH-1

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