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メンデルスゾーンのピアノ曲|難易度低めの美しい作品を厳選!
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メンデルスゾーンのピアノ曲|難易度低めの美しい作品を厳選!

ドイツロマン派の作曲家であり、指揮者、ピアニスト、オルガニストとしても活躍したフェリックス・メンデルスゾーン。

ヴァイオリン協奏曲やピアノ独奏曲など数々の名作を生みだしながら、ヨハン・セバスチャン・バッハの音楽の復興やライプツィヒ音楽院の設立などの活動も精力的におこない、19世紀の音楽界に多大な影響を与えた人物でもあります。

本記事では、そんな偉大な作曲家メンデルスゾーンの作品の中から、比較的難易度の低いピアノ作品を厳選して紹介します。

耳にするだけで心が浄化されていくような美しい作品ばかりですので、ぜひ最後までご覧ください!

メンデルスゾーンのピアノ曲|難易度低めの美しい作品を厳選!

無言歌集 第7巻 Op.85 第4曲 エレジーFelix Mendelssohn

こちらの『エレジー』は、メンデルスゾーンが亡くなった後に遺作として出版された『無言歌集 第7巻 作品85』の4曲目にあたる楽曲です。

難易度としては同じ『無言歌集』の中でも特に有名な『春の歌』と同程度、まったくの初心者には厳しいレベルではありますが、基本的なテクニックを学んだ方であれば十分対応できるでしょう。

この楽曲で特徴的な、装飾音的な16分音符は主旋律と同じ強さで弾くのではなくあくまで伴奏として静かに、かつ表情をつけながら弾くことが非常に重要です。

臨時記号もそれなりの頻度で出てきますから、譜読みを完ぺきにした上でゆっくりと丁寧に練習してみてくださいね。

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アルバムの綴り Op.117Felix Mendelssohn

どこか物悲しくも情熱的な雰囲気が特徴的なこちらの『アルバムの綴り』は、1837年に作曲されたピアノ独奏曲です。

中間部の転調してメロディが柔らかなものへと変化するさまも美しく、全体的に作曲者の曲に込めたエモーションを感じ取れるようなロマンチックな作品なのですね。

実際に弾くとなると初級レベルでは正直難しく、中級者程度の方でないと太刀打ちできないかもしれません。

主要なテーマの部分ではひたすら左手が6連符の伴奏を弾き続けるため、慣れないうちは片手ずつ練習していくことをおすすめします。

先に触れた中間部では逆に左手はコードの和音メイン、右手が3連符を中心に弾いてくという変化も注意しつつ、強弱記号もしっかりと把握した上で自分なりに楽曲を表現できるように頑張りましょう!

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「夏の名残のばら」による幻想曲 Op.15Felix Mendelssohn

『夏の名残のばら』はアイルランドの詩人、トーマス・ムーアが1805年に書いた詩で、1813年には同国の民謡を旋律としてつけて出版された作品です。

日本では『庭の千草』という唱歌として広く紹介されていますが、クラシック音楽の分野への引用も多く行われており、中でも有名なのがメンデルスゾーンの『「夏の名残のばら」による幻想曲 Op.15』なのですね。

原曲のメロディを取り入れながらも、メンデルスゾーンのセンスでもってピアノ曲として見事に昇華しております。

冒頭は主題のメロディが優しく奏でられますが、中間部で突然感情がかき乱されるような、プレスト・アジタートで始まる性急な展開へと突入するさまが実にドラマチックですね。

ふとした時に主題のメロディが歌われたり、ラストで消え入るように終わる幻想的な雰囲気も素晴らしいです。

とはいえ実際に弾くとなると中級者以上の技術が求められますし、中級レベルに差し掛かった程度では正直厳しいでしょう。

右手と左手とで交互に16分音符を連打するプレスト・アジタートは、それぞれの役割をしっかり意識しながら単に音符をなぞるだけに終始しないように注意してみてください。

楽曲全体的に緩急をつけて、原曲の詩で語られるイメージも常に念頭に置くことで表現力も増しますよ。

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6つの子供の小品 Op.72 第1番Felix Mendelssohn

メンデルスゾーンの子ども向け、初心者でも弾きやすいピアノ曲集といえば『無言歌集』もしくは『6つの子供の小品』です。

こちらの『6つの子供の小品』はタイトル通り子どもたちの練習曲としても定番のピアノ曲集であり、ソナチネ程度の難易度で挑戦しやすいですし、大人になってからピアノを始めて「ロマン派のピアノを弾いてみたい」と考えている方にもおすすめできますね。

本稿で紹介しているのは『6つの子供の小品』の第1曲で、優雅なワルツのリズムとスタッカートを多用したフレーズが特徴的な楽曲です。

1分程度の短い作品で臨時記号も少なく、基本的なテクニックを押さえておけば初級レベルの方でも十分対応できるはず。

スタッカートはあくまで軽やかに歯切れよく、あまり力を入れ過ぎないように注意しましょう!

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7つの性格的小品 Op.7 第1番 やさしく感情をこめてFelix Mendelssohn

1827年から1829年にかけて作曲されたという『7つの性格的小品』は、メンデルスゾーンの作品の中でもバッハからの影響が強く見られるピアノ曲集として知られています。

複数の異なる旋律を調和を保ちながら同時に鳴らす、いわゆる「対位法」と呼ばれる技法を駆使した作風で、右手で旋律を弾いて左手は和音で伴奏を弾くといったタイプの楽曲しか弾いたことがないという方は戸惑われるかもしれませんが、初級者ピアニストとしてこちらの『7つの性格的小品』に挑戦することでレベルアップを図れることは間違いないでしょう。

今回は全7曲のうち、比較的難易度の低いと思われる第1曲『やさしく感情をこめて』を取り上げています。

バッハ的な優雅さと物悲しさを帯びたメロディがとても美しく、しっかり弾きこなせれば古典派の醍醐味をほんの少しでも味わえるかもしれません。

先述したように、右手と左手とが独立した動きで展開していくため、初心者の方は片手だけで練習していくことも大切です。

派手さがない分、淡々と弾きすぎて地味になりすぎないように抑揚をつけてあげることにも注意してくださいね。

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3つの幻想曲、またはカプリス Op.16 第3番Felix Mendelssohn

メンデルスゾーンが初のイギリス旅行をした際に書かれたという『3つの幻想曲、またはカプリス』は、タイトル通りすべてが幻想曲というわけではなく一般的には第1曲が幻想曲、第2曲がスケルツォ、第3曲がカプリスつまり奇想曲とされる作品です。

全体的には中級レベルの作品ですが、比較的難易度の低めな第3番は楽曲の展開も一定で複雑な構造ではないので初めてこの作品に挑戦する、という方にもおすすめですね。

とはいえ基本的に主旋律が16分音符の連続で後半には32分音符も登場しますから、正確かつ細やかな運指が求められます。

まずはテンポを落として、美しい旋律をなめらかに表現できるように少しずつ指の動きに慣れるようにしましょう。

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