ヤマハの電子ピアノ新CLPシリーズの魅力
ヤマハのクラビノーバ、CLPシリーズの新モデルが発売されています。
CLP-685、675といったように番号が500番台から600番台になっています。
新開発の鍵盤やスピーカーが搭載(とうさい)されたり、元々あった機能をベースアップさせたりと、全体的に能力が向上し、また一段階アコースティックピアノに近づきました。
新要素
グランドタッチ鍵盤
この鍵盤が搭載されているのはCLP-685とCLP-675です。
今までとは比べ物にならないリアルなタッチ感には、とにかく驚きです!
強く弾けば重く、弱く弾けば抵抗感が少なくスッと沈み込む、といったように「弾く強さ」によって、指に伝わる鍵盤の重さも変化します。
それによって繊細な音から力強い音まで、どんなタッチに対しても反応がさらに向上しています。
またカワイのCA97のように鍵盤の先端から支点までの距離(※1)をグランドピアノと同じとすることで、鍵盤の奥(※2)を押しても十分に沈み込むため、この部分を使った演奏がしやすくなりました。
※1(注)画像はカワイの鍵盤です。
※2 オレンジ色が「鍵盤の奥」。
和音を弾くときや、黒鍵を交えて滑らかに演奏したいときに、ここを押すこともあります。
手前側を弾いても奥を弾いてもリアルな弾き心地が得られるようになりました。
また鍵盤の表面は500シリーズでは白鍵の象牙調のみでしたが、600シリーズからは全て黒鍵も黒檀(こくたん)調仕上げになっており、黒鍵の感触も向上しました。
音源の改良と、CLP全機種でピアノの細やかな響きを再現
音源を改良することで今までのピアノ音色がさらに自然さを増しました。
また500シリーズでは585と575にのみ搭載されていた、ピアノのさまざまなパーツの共鳴音を再現するVRM(バーチャルレゾナンスモデリング)機能が全機種に搭載。
どの機種も本物の音のような豊かな響きに近づきました。
スピーカーも改良されさらに良い音質に
CLP-575はスピーカーが左右2個ずつの、計4つでしたが、CLP-675からは、低音・中音・高音をそれぞれ専用のスピーカーで響かせるために6つになりました。
またCLP-585はもともと出力30ワットのスピーカー6つでしたが、CLP-685からは50ワットの出力にアップ。
よりアコースティックピアノのような重厚でパワフルな音になります。
CLP-685はさらにスピーカーコーン(※3)をスプルースという木材製のものにすることで音の立ち上がりが良く(鍵盤を押して音が出るまでの瞬発性が高いこと)なっています。
※3 画像の白い部分をスピーカーコーンと言います。
ヘッドホン装着時もさらに良い音に
前モデルではCLP-545以上の機種に「ステレオフォニックオプティマイザー」という名称の機能が搭載されていました。
CLP-600シリーズではその機能を残しつつ、さらにピアノの音が自然に聴こえるよう改良された「バイノーラルサンプリング」という機能も追加されました。
この機能のおかげでヘッドホンからの音もまるで本体から鳴っているように聴こえます。
そのため耳元ではなく空間に音が広がるように感じるため、さらに自然さがアップしています。
最後に
CLP635と645は、前モデルとあまり大きな差は感じなかったものの、音質の向上は体感できました。
細かい共鳴音まで再現されているので、確かに音に煌(きら)びやかさと厚みがあります。
ただ、500シリーズから数年たっての発売で強化されたのは音質だけ、というのは少し期待を下回りました。
しかし675・685の鍵盤は新しくなり、格段にグランドピアノの鍵盤に近づいていたため驚きでした。
モデルチェンジによってレベルアップしたCLPシリーズなら、楽しくピアノが演奏できるでしょう!
ライタープロフィール
元楽器店勤務
ほんま
元楽器店勤務。
楽器がわからないからどれを選べば良いかもわからない、という声の多い電子ピアノ。
そんな方達の電子ピアノ購入を手助けするべくブログを開設。
現在は地方に在住し演奏活動も行っている。
ウェブサイト:http://ep-erabi.com
Twitter:denshipiano_erb